ＡＲＮＫＡメール報

■ タイ人拉致をタイ国家人権委員会に救済申し立て ■

　2010年11月9日午前のチェンマイ県定例記者会見で、タイ人拉致被害者家族のバンチョン・パンチョイさん（拉致被害者アノーチャー・パンチョイさん甥）が会見しました。

　この会見は、2005年11月にアノーチャーさん拉致が判明して丸5年となるのを機に行ったものです。

　バンチョンさんは会見の中で、「家族はアノーチャーが北朝鮮で健在であると強く確信し、帰国を待ち続けている。しかし、タイ政府が問題を解決する希望はほとんど持てない」と述べて、この5年間のタイ政府の拉致問題対応に対する家族の不満を表明しました。

　さらに、2010年10月27日にタイ政府の独立機関である「タイ国家人権委員会」に対して、アノーチャーさんの救済申立を行い、11月2日付で同委員会に正式に受理されたことを明らかにしました。

　今後同委員会での審査を経て、タイ政府に対して救済勧告が行われる可能性があります。

　バンチョンさんは県庁内でチェンマイ県副知事にも面会し、県からも政府に働きかけを行うよう要請しました。

　タイ人拉致の解決には、タイ政府が直接北朝鮮に交渉することが不可欠ですが、この2年ほどの間は、タイは北朝鮮に対してタイ人拉致解決交渉をほとんど行っていませんでした。
　タイ国家人権委員会がタイ政府に対して救済勧告を行うことになれば、上記の状況が大きく変化する可能性があります。

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