★ ARNKAメール報第181号 ★ 2010.11.20
タイ人拉致判明から丸5年が経過(3) 家族の思い

 1978年にマカオで起きたタイ人女性アノーチャー・パンチョイさんの失踪が、実は北朝鮮拉致であったことは、2005年のチャールズ・ジェンキンスさんの証言と、同年11月のタイ政府調査でアノーチャーさんの身元が確定したことによって判明しました。
 今月(2010年11月)で、拉致判明後丸5年となります。

 アノーチャーさんに最も近い肉親で今もタイ北部チェンマイの実家を守る、実兄スカム・パンチョイさん(64)は、本会に対して、丸5年を迎えた気持ちを明かしました。

 以下に紹介します。

 「妹アノーチャーが1978年にマカオで行方不明になってから、30年以上もの間何の手がかりもなかった。
 ところが、2005年10月末のタイのテレビニュースで、アノーチェという名のタイ人女性が北朝鮮に拉致されたという報道がされた。私は偶然それを見て、妹に間違いないと確信した。
 だからすぐにテレビ局に連絡した。私たち家族の証言とタイ政府の身元確認によって、アノーチェは妹アノーチャーに間違いないと言うことになった。

 妹の消息が分かったことに、うれしい気持ちと悲しい気持ちが入り交じった。
 30年以上何の消息も得られなかったのに居場所が分かったことには、本当に本当にうれしかった。
 しかし、北朝鮮当局に拉致されて今も不自由な身で居ると言うことを知って、悲しい思いに駆られた。

 妹の拉致が判明してから5年が経った。しかし、妹はまだ帰って来ることが出来ない。
 外部に手紙さえ書けないのだろうか?
 タイ政府は当初こそ、外務大臣が私たちに会ったし、北朝鮮との交渉もしてくれた。しかし、解決できないままに時が経ち、政権も何度も変わり、今では何もしてくれない。
 どうしてだろうか? 自分の政府であるタイ政府に、私たちはもう希望を持てないのだろうか?
 北朝鮮指導者が交代すれば、妹は帰れるのだろうか?
 私たち家族の一縷の望みは、日本・韓国の家族会と、タイ・日本の支援団体になってしまった。
 これからも各国家族会・支援団体と協力して行きたい。
 そして、タイ政府にはもう一度この問題を北朝鮮と真摯に話し合って欲しい。

 私と妹の両親は既に亡くなった。
 私は病を得て、今では耳が聞こえなくなってしまった。残念だ。
 この私が健在のうちに、妹にはどうしてもこの実家に帰ってきて欲しい。」


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1.タイ人拉致被害者アノーチャー・パンジョイさん個人史
  (タイ語版・英語版・日本語版)
2.北朝鮮拉致問題に関するタイ外相インタビュー記事日本語訳[2006年2月]
3.タイ人拉致被害者実兄の思い
  [2006年4月ReACH/CHNK共催ワシントン拉致被害者救援コンサートで読まれた手紙]
  (タイ語版・英語版・日本語版)
4.タイ外務省ウェブサイトの北朝鮮紹介ページ日本語全訳
  [タイ-北朝鮮関係の基礎資料]
5.タイ-北朝鮮貿易額統計2001-2005年
  [タイは04年より北朝鮮の対外貿易高第3位](タイ語版・日本語版)
6.日本の北朝鮮人権法タイ語訳
7.タイ人拉致問題パンフレット[A4両面三つ折用](タイ語版・英語版・日本語版)
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