★ ARNKAメール報第199号 ★ 2011.11.22
アセアンからの賛成はフィリピンのみ

  - 国連第3委員会北朝鮮人権状況決議 -

 2011年11月21日に採択された、国連総会の第3委員会(人権を管轄)における北朝鮮人権状況決議は、2005年から7年連続で採択され、賛成国が昨年の103ヶ国を上回る112ヶ国となり、過去最大の「賛成」を集めました。

 内訳は以下の通りです。

  * 賛成 112ヶ国  * 反対 16ヶ国  * 棄権 55ヶ国

 年々賛成国を増やす同決議ですが、しかし、日本と従来から密接な東南アジアの「アセアン諸国」(全10ヶ国)の状況は、この流れとは別の位置にあります。
 アセアン諸国からは例年、賛成国が1ヶ国もない状況が続いていました。

 その中で今年は、フィリピンが「賛成」に転じました。

 アセアン諸国の対応を詳しく見て行きます。
 今年の第3委員会決議での「アセアン諸国」10ヶ国の対応は、以下の通りです。

  アセアン諸国(全10ヶ国)の対応

   賛成 1ヶ国(フィリピン)
   反対 2ヶ国(ベトナム、ミャンマー)
   棄権 7ヶ国(タイ、ラオス、シンガポール、ブルネイ、マレーシア、カンボジア、インドネシア)
   欠席 0ヶ国

 昨年からの変化は、フィリピンが「賛成」に転じた他に、昨年「反対」であったマレーシアが今年は「棄権」に転じ、その結果、アセアンからの反対国は、昨年の3ヶ国(ベトナム、ミャンマー、マレーシア)から、2ヶ国に減りました。

 アセアン諸国からの「反対」は、2009年には4ヶ国、2010年には3ヶ国でしたが、今年は2ヶ国となり、「毎年過去最大の賛成票を集める中で反対票の突出した票田」としてのこれまでの傾向は、年々薄まりつつあります。
 しかし、同決議が毎年「過去最大の賛成」を更新し賛成国を増やしている中で、アセアン諸国からの賛成国はほとんどないままに取り残され、棄権国数は突出して多数です。

 このように、アセアン諸国が「北朝鮮人権決議に賛成国をほとんど全く輩出しないブロック」である状況が、より浮き彫りになりつつあると言えます。

 北朝鮮人権決議は、今回の第3委員会決議を経て12月中に国連総会本会議でも採決される予定で、本会議で採択されることにより国連総会決議となります。

 このほか、国連での北朝鮮人権状況決議では、ニューヨークの国連総会第3委員会及び国連総会本会議の他にも、ジュネーブの国連人権理事会でも2008年から4年連続で採択されています。
 今年3月の第16回人権理事会での採択では、拉致被害国でもあるタイが、初の「賛成」を投じていました。
 タイはしかし、今回の第3委員会決議では「棄権」に転じました。
 タイのちぐはぐな対応には、この問題に対するタイ政府内での合意形成不足が示唆されます。

※ 今年の国連第3委員会決議での「アジア大洋州」からの「反対」は以下の通りで、「アジア大洋州」からの反対票は、中国・北朝鮮+アセアン2ヶ国で構成されている。

  中国・北朝鮮・ミャンマー・ベトナム

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