★ ARNKAメール報第91号 2008.01.24 |
■ チュラロンコン大学の北朝鮮人権セミナーが成功裡に終了 ■ 2008年1月23日に、タイ国立チュラロンコン大学政治学部(バンコク)の主催により同大で開催された北朝鮮人権セミナーが、成功裡に終了しました。 このセミナーは、タイの機関が初めて単独主催する北朝鮮人権セミナーとして注目されました。 テーマには、北朝鮮の自国民に対する人権侵害として強制収用所の問題と、外国人に対する人権侵害として拉致問題を取上げ、チュラロンコン大学の学生・タイ政府関係者・タイ人専門家・在タイ韓国大使館関係者・タイ日韓のマスコミ等、約70名が参加しました。 講師陣は、拉致に関してはタイ人拉致被害者アノーチャー・パンチョイさんの甥であるバンチョン・パンチョイさんが出席しました。 強制収用所に関しては、元収容者のキム・ヨンスンさん、元収容所管理責任者のクォン・ヒョクさん・元看守のアン・ミョンチョルさん、それに韓国の支援NGOのキム・サンフンさんが出席しました。 さらに韓国から、ハンナラ党国会議員で、北朝鮮人権国際議員連盟共同議長のファン・ウヨ議員が参加し、講師の講演後に会場でコメントをしました。 司会と全体コーディネートは、チュラロンコン大学政治学部のスラット・ホーラーチャイクン助教授が務めました。同助教授は今回のセミナーの主催者でもあります。 講演では、拉致に関してバンチョン・パンチョイさんから、アノーチャーさんの失踪と北朝鮮にいることが明らかになった経緯、家族の思いが語られました。 バンチョンさんは、「アノーチャーさんの救出にはタイ社会で問題認知が広まることが必要だ」と指摘すると同時に、アノーチャーさんの拉致が判明して以来2人の外務大臣に面会し、最善を尽くすとの発言があったが、その後の対応を見ても解決の見通しは全く見えないと指摘した上で、タイ政府の問題と家族に対する対応は決して十分なものではないとして、タイ政府の姿勢を批判しました。 強制収容所に関しては、自身が受けた拷問や強制労働、肉親の処刑、管理者側として関与した拷問や公開処刑の状況が生々しく語られ、「これが今現在も起こっている事実であり、北朝鮮の強制収容所は一刻も早くなくさなければならない」と強調しました。 また、「現在北朝鮮には全人口の約1パーセントに相当する約20万の政治犯が強制収容所に収容されている」「強制収容所には農場・工場・鉱山等があり、無給で苛酷な強制労働により安価に生産される生産物は収容所の外に供給されている。この意味で強制収容所は北朝鮮経済と産業の重要な部分を占めている」という証言がなされました。 ファン・ウヨ議員は、現在タイのイミグレーション収容所から韓国に移送される北朝鮮難民(脱北者)の移送ペースが、週当たり45人であり、これをさらに増加させるようタイ側と協議中であることを明らかにしました。 同時に、韓国側の一時滞在施設の収容キャパシティーが十分ではないことを挙げ、今後のタイからの引き受けについては「韓国側の受入体制の整備と、タイ側の北朝鮮難民に対する法規上の取り扱い及び政策が重要な要素である」と指摘しました。 また、スラット助教授の、李明博新政権で対北政策がどのように変化するかという質問に対し、「北朝鮮の政府と民衆を分けて考える必要がある。盧武鉉政権による北朝鮮民衆の生活向上を目指した政策の多くは多少の変化はあれ継承されると思うが、北朝鮮政府に対する対応は是々非々となろう」との見通しを示しました。 セミナー後の懇親会では、都合によりセミナーには参加できなかったタイ国家人権委員会の委員も参加し、人権委員会の枠組みによる問題解決の方策が話し合われました。 なお、今回のセミナーは、チュラロンコン大学政治学部の学生ボランティア約40名により、広報・資料準備・会場準備を含む準備全般が行われました。 ------------------------------------------------------ ARNKA(アーンカ)メール報の定期受信は本会までメールでお申込下さい。ARNKA メール報が不要の方も同様にご連絡下さい。 ------------------------------------------------------ ARNKA配布資料 メールでお申込下さい。添付ファイルでお送りいたします(無料)。 1.タイ人拉致被害者アノーチャー・パンジョイさん個人史 (タイ語版・英語版・日本語版) 2.北朝鮮拉致問題に関するタイ外相インタビュー記事日本語訳[2006年2月] 3.タイ人拉致被害者実兄の思い [2006年4月ReACH/CHNK共催ワシントン拉致被害者救援コンサートで読まれた手紙] (タイ語版・英語版・日本語版) 4.タイ外務省ウェブサイトの北朝鮮紹介ページ日本語全訳 [タイ-北朝鮮関係の基礎資料] 5.タイ−北朝鮮貿易額統計2001−2005年 [タイは04年より北朝鮮の対外貿易高第3位](タイ語版・日本語版) 6.日本の北朝鮮人権法タイ語訳 7.タイ人拉致問題パンフレット[A4両面三つ折用](タイ語版・英語版・日本語版) ------------------------------------------------------ ARNKAの活動は支援者の皆様の寄付で賄われています。 拉致問題の一刻も早い解決のために皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。 ご寄付の振込先 口座名義:TOMOHARU EBIHARA(ARNKA) 銀行名:The Siam Commercial Bank 支店名:Payap University Sub Branch 口座番号:802−2−06137−3 ------------------------------------------------------ The Association for the Rescue of North Korean Abductees, Chiangmai(ARNKA) 北朝鮮に拉致された人々を救援する会チェンマイ 代 表 海老原 智治 (Tomoharu EBIHARA) Thai-Japan Center,Payap University Super Highway RD., A.Muang Chiangmai 50000 Thailand infoarnka[@]gmail.com メール送信の際はかっこを外して下さい。 ------------------------------------------------------ |