泰國映画『わすれな歌』


全篇(14ファイル)一括再生 ファイルの個別再生には、以下をご活用ください。





(00) 宣伝用クリップ





(01)

 収監されたペンの様子から物語が遡って始まります。ひょうきんでキザなペンの仕種が、笑わせてくれます。






(02)

 開始から10分以上経ってから、ようやくタイトルクレジットですね。食事の場面、幸せ一杯の二人の表情が堪りません。サダウが小臼をついて作っているのは"パパイヤサラダ"。タイ料理の定番ですが、自分は苦手です。






(03)

 タイの田舎風結婚式が出てきます。簡素ですね。元来、タイは母系家族制で、結婚して子供が生まれるまでは妻方で生活するのが一般的でしたが、都会から崩れ始め、今では田舎でも絶滅寸前の慣習となっているようです。
 タイの徴兵制はクジ引き制。ペンは当たってしまったわけです。






(04)

 タイの軍隊は簡単に脱走できるようですね。今風マネージャーの妖しげな父っつあんでさえ、仏前で泣きながら何やら訴えています。如何にもタイらしい光景です。






(05)

 ペンに貰ったトランジスタラジオが、だんだん壊れていくところが、二人の関係の現状を象徴しています。






(06)

 






(07)

 ペンを見つめるサダウの表情をご覧ください。嬉し泣きに、夫を信頼しきった女の姿を見るのであります。






(08)






(09)






(10)






(11)






(12)






(13) サダウの涙の意味

 ツンとした態度から急転、子供のような泣き崩れ方になった点がポイント。ペンの「サダウ、ごめんなさい。」からですが、その前に「此家に留まってもいいが、怠けちゃダメ。"私の家"をしっかり守って頂戴。」と釘を刺しています。要は「家庭を外敵から守るのは、本来、夫の役目でしょう。」と説教したわけ。この台詞に、ペンの不在期間中、頼るもののないサダウの辛かった日々が凝縮されています。唯一頼りとする"夫"の帰還で余計な負担から解放され、過去を赦す意味も含めて、甘えるように泣き崩れたのでありましょう。






(14) エンディングタイトル

 バックでは、邦題となった『わすれな歌』が、オリジナル歌手スラポン・ソムバッチャレン(1930-1968)によって歌われます。タイ・ルークトゥン(民謡風歌謡曲)の名曲です。






《 蛇 足 》
 サダウ役の สีรียากร ผุกกะเวส (シリヤゴーン・ブッカウェート)さんについては、この作品でしか知りませんでした。何度か来日されていて、今年の福岡国際映画祭にも新作PRのために来られたようです。その時の写真を見ると、この映画から8年経っているにも拘わらず、ちっともお変わりなし。映画の中でも、撮影時実齢27歳なのに、前半はハイティーンのようだし、ラストはどうみても三十代としか見えません。タイ女性の化粧、とりわけ芸能関係者のそれは概してケバいのでアレですが、シリヤさんの場合、化粧によらず化けられる(?)のだから凄い。タイの名門校チュラロンコン大学マスコミ学部卒の才媛であらせられます。





以上でおしまひ。