台湾電視劇『梅花三弄』

* 第三部 *  水雲間


* その三 *


(41) 若鴻の自己弁護

 言うに事欠いて、16歳を境にして「前世」と「今世」とは呆れるばかり。現代に置き換えたら「重婚罪」は明白でしょう。芊芊さんが心底怒っているのは、多分「我真的把他(翠屏)忘了」でしょうね。若鴻は、"夫"の責務を全うする気などさらさらない、と宣言したも同然ですから。






(42) 両親の位牌

 「梅花三弄」シリーズで必ず出てくるのが、「結婚式」「墳墓」「位牌」です。中国でも伝統的に"忠孝"が重視されてきたのかどうかは知りません。しかし、"忠"は第一部にしかないものの、"孝"は全三作に共通しています。






(43) 芊芊と子璇、女の友情

 若鴻争奪戦を演じてきた二人ですが、今後は一致して共同戦線(?)を張ることになりました。






(44) 酔馬會の実情視察

 翠屏・画児の出現問題について、善後策をみんなで話し合うが、若鴻に問題解決能力は皆無。






(45) 芊芊の決断

 若鴻の煮え切らない態度に業を煮やした芊芊は、「従今以後永不來往」の捨て台詞を浴びせて去る。






(46) 芊芊回家

 恥を忍んで杜家に戻った芊芊に、コトの真相を聞いた世全はカンカン。芊芊は自分の非を認め去ろうとするが、両親に引き留められる。






(47) 只能盡人事聽天命

 若鴻は翠屏の病気治療費捻出に困って画房店主に借金を依頼するが、長続きしないことは止めて湖畔で似顔絵描きをやったらどうか、と勧められる。医者の言う「只能盡人事聽天命了」は、「人事を尽くして天命を待つのみ」ってことでしょう?






(48) 素卿の逐電

 芊芊の行動を批判する素卿を見た世全は、キレて素卿を殴打する。まもなく素卿は、家財を根こそぎ持ち逃げしてしまう。しかし、これで却って杜家の家族の絆は深まることに。






(49) 芊芊の離婚決断

 芊芊は若鴻の面前で結婚証書をビリビリと破き、離婚を宣言する。彼の国の人は、なさることが派手ですね。






(50) 虚脱した若鴻

 芊芊の離婚宣言に虚脱状態の若鴻は、翠屏に当たり散らす。母親を罵られた画児は、「你一定不是我爹(あなたは私の父親なんかじゃない)」と怒って家を飛び出す。子供に説教されるほどですからね、若鴻の無能力ぶりが知れようというもの。






(51) 廃人梅若鴻

 芊芊が居なくなっただけで最親近者の翠屏や画児に当たり散らし、暴れ回る。人にして人に非ず。哀れな男である。悟った翠屏は、雨中ついに水雲間を出て行く。






(52) 翠屏の自殺

 事実上、自分で翠屏を自殺に追い込んでおきながら、何故死んだのかと泣き喚いて翠屏を責めたてる。死者にまで責任を転嫁するとは、ある意味、(脳内が)幸せな男である。






(53) 翠屏の葬儀

 廃人と化した若鴻に代わり、事実上画児が喪主を務める。弔事の衣裳は、白装束なんですね。鉢巻みたいなものを締めるのはどういう意味があるのでしょうか。






(54) 子黙の芊芊説得

 芊芊が子黙を怨み、若鴻とよりを戻すつもりもないことを百も承知で、若鴻を更正させるには芊芊の力を借りるしかないと意を決した子黙は、敢えて芊芊に面会を求め、説得する。この場面の子黙は、実に男らしくてカッコいいですね。子黙のキャラははっきり言って嫌いなタイプですが、ここは彼を百パーセント支持します。






(55) 続廃人梅若鴻

 無知無能で怠け者かつ狂人の父親を持つお子さん(画児)は大変ですね。子璇が「あなたの弟だから、当然抱いていいよ」といって画児に抱かせるところなど、"女が描くドラマ"の真骨頂でしょう。






(56) 続々廃人梅若鴻

 ご覧のとおりです。






(57) 芊芊の若鴻蘇生法

 子黙の説得を受け、水雲間に戻った芊芊は、覚醒しない若鴻にとっておきの蘇生法「画我!」といって胸を露わにし、紅梅花の刺青を見せる。それに反応した若鴻は、ようやく目が覚める。水戸黄門の印籠じゃあるまいし、人前で何度も見せちゃいけませんね。






(58) 画壇双傑黒馬紅駒

 若鴻と芊芊の正式結婚でハッピーなうちに幕となりましたが、このあとおそらくうまくいってないでしょうね。何せ、若鴻はちっとも反省してないし、生来の無知無能で天性の怠け者なんですから。芊芊さんも、天下のダメ男を掴まされたものです。ご愁傷さまでございます。






(59) 片尾曲『我心已許』

 演唱;蔡幸娟






 




以上、おしまひ。