★ 第一 「親の恩」
二宮金次郎の家は、たいそう貧乏でありました。

父母は金次郎たちを育てるために、色々苦労をしました。

★ 第二 「孝行」
母は親類に預けた末の子のことを心配して、夜も良く寝ませんでした。

金次郎は母に願って、弟を呼び戻してもらいました。

★ 第三 「兄弟仲良くせよ」
金次郎は朝早くから夜遅くまで休まずに働いて、二人の弟を養いました。

★ 第四 「仕事に励め」
金次郎は、12の時、川普請に出ました。

他の人達の世話になりますから、わらじを作って、その人々に、贈りました。

★ 第五 「親類」
金次郎が十六の時、母も死にました。

親類の人達が相談して、金次郎と二人の弟を分けて預かることにしました。

★ 第六 「学問」
叔父は、「本を読むより、家の仕事をするがよい。」と、言いますから、金次郎は、夜遅くまで仕事をして、その後で、学問をしました。

★ 第七 「勤倹」
金次郎は、もとの家に、帰ってきて、その荒れ果てているのを自分で直して住みました。

それからいっそう精出して働き、また倹約をして、後には偉い人になりました。

★ 第八 「祖先を尊べ」
伊能ハルは祖先を尊んで、毎月丁寧に祀りました。

その時珍しい果物などを仏壇に供えました。

★ 第九 「召使いを労れ」
この子は女中を呼びましたが、すぐに来ませんでしたので、大きな声で叱りました。

母はこれを聞きつけて、「召使いは労らねばなりません。」と言って聞かせました。

★ 第十 「食べ物に気をつけよ」
この子は青い梅の実を落として食べようとしますから、母が止めています。

★ 第十一 「決まり良くせよ」
小竹はお絹の家で遊んでいましたが、12時に近くなったので、「食事時になりますから。」と言って帰りました。

★ 第十二 「臆病であるな」
臆病な人が闇夜に大頭の化け物に出遭って、驚いて友達の家に逃げ込みました。

すぐ友達と行って見ると、それは瓢箪でありました。

★ 第十三 「友達は助け合え」
文吉が重そうな風呂敷包みを持って行きました。

途中で小太郎がそれを見て気の毒に思い、替わって持ってやりました。

★ 第十四 「不作法なことをするな」
文吉は母に呼ばれたので、急いで絵本をまたいで行きました。

母は「不作法なことをしてはなりません。」と言って聞かせました。

★ 第十五 「人の過ちを許せ」
小太郎は文吉のまりを無くして詫びました。

文吉は「過ちであるから、仕方がない。」と言って咎めませんでした。

★ 第十六 「悪い勧めに従うな」
文吉と小太郎に友達が「小屋に隠れて居て通る人を脅そう。」と勧めました。

二人が止めても皆が聞きませんので、二人は別れて帰りました。

★ 第十七 「正直」
正直な丁稚が反物に傷のあるのをお客に知らせています。

この子は大人になってから、立派な商人になりました。

正直は一生の宝。

★ 第十八 「天皇陛下」
天皇陛下が御巡幸の時、新潟県で目の悪い者が多いのを御覧になって、深く御哀れみになりました。

また愛知県に大演習があった時、陛下は激しい雨の降るのに、御頭巾も召されずに、兵隊の働きを御覧になりました。

★ 第十九 「皇大神宮」
皇大神宮は天皇陛下の御先祖をお祀りもうしてある御宮でございます。

我々日本人はこの御宮を敬わなければなりません。

★ 第二十 「忠義」
日本の艦隊はロシアの軍艦が出られないように旅順港の港口に船を沈めました。

その時我が軍人は命を惜しまず、勇ましく働いて忠義を尽くしました。

★ 第二十一 「約束を守れ」
広瀬武夫はロシアから帰る道で、たいそう難儀な所を通ることになりました。

その時無事に帰れまいと心配し、ある子供との約束を思い出し、手紙を書いて、中にロシアの郵便切手を入れて送りました。

★ 第二十二 「恩を忘れるな」
お鶴はこの年寄りの世話になったことがありますから、いつまでもその恩を忘れません。

今も学校から帰る道で挨拶をしています。

★ 第二十三 「辛抱強くあれ」
娘は手にかけてきた糸がもつれて解けませんので、「切ってしまいましょう。」と言いました。

母は「辛抱して解いて行けば、解けないことはありません。」と言って聞かせました。

★ 第二十四 「規則に従え」
一人の子供が土手に上ります。

友達が立て札を指して、「規則に従わなければなりません。」と言ってそれを止めています。

★ 第二十五 「年寄りに親切にせよ」
この年寄りは銭を落として難儀をしています。

小滝と五郎はそれを見て、気の毒に思いましたから、親切に手伝って拾っています。

★ 第二十六 「良い子供」
この子は先生の教えを守る良い子供であります。

学校で賞状を貰ったので、今父母に見せています。

父母は喜んで、「良い人になるように、この後もますます気をつけなさい。」と言って聞かせています。

2006年12月4日更新