自分には必ず両親がいます。当たり前です。父母各一人の合計二人です。その両親にも両親がいます。自分からみれば、祖父母にあたる人です。父方と母方の祖父母各一組合計四人です。祖父母、つまり三世代前程度でしたら多くがご存命でしょうからすぐ思い浮かびます。しかし、その前になるともうわかりません。
では、20世代前に遡ると何人になるでしょうか。ひまだから、計算してみました。
2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2=52万4288人
さらに30世代前になると5億3687万0912人。
もっと遡って40世代前では2748億7790万6944人になります。
これ以上遡ると、天文学的数字だからやめます。(電卓桁が足りず計算不能)
世代間20年として、20世代はざっと400年です。年表でいくと17世紀頃になり、日本では江戸時代初期にあたります。徳川家康、水戸光圀、伊達政宗、沢庵和尚、宮本武蔵、松尾芭蕉たちが活躍していた頃で、忠臣蔵の大石内蔵助はまだ生まれていませんでした。この時代にも、52万4288人の自分のご先祖様が暮らしていたのです。
30世代前となると、室町時代です。この頃の日本の人口が何人だったか知りませんが、5億3687万912人のご先祖様はいくらなんでも多すぎます。さすがにここまで遡ると個人名が特定できない以上、数字の遊びになってしまいます。おそらく同一人を重複して数えているのでしょう。
それはともかく、数多くのご先祖様のうちたった一人でも欠けていたら、今の自分は生まれてこれなかったはずです。これは生命の奇跡としか言いようがありません。一人一人の生命はやがてつきます。しかし、生命そのものは親の代から受け継ぎ、子の代へと引き渡されていくのです。
生命は自分だけのものではありません。
祖先と子孫をつなぐリレーのバトンなのです。